無駄の読書感想文

自分のためにまたはこれから読もうかなと思っているかたの参考になればと思い拙い感想文ですが書いています。読むペースは遅いので更新もゆっくりです。

空海 般若心経の秘密を読み説く 11冊目

11冊目

空海
般若心経の秘密を読み解く

松長有慶著

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般若心経の秘密を読み解く

一時期、般若心経の解説本を読みあさっていた
時がありました。
空の思想はわかるようでわからない
著者がどのように空を捉えているか、どう体験しているのか
を読んでいるととても面白いのですが
空海の般若心経秘鍵だけはなんとなくニュアンスが違うのでは
ないかと思っていままで読まずにいました。

そして今回密教に興味を持ったので
初めて般若心経秘鍵の解説本を読んでみました。

読んでみて分かりましたが
まったくいままでの般若心経の解説本とは
ぜんぜん違います。

般若心経をこんなふうに解釈できるんだと
いままで一方向でしか読めていなかったのですが
違う方向から読めました。

これだけでも空海が天才と言われたいるのが
よくわかります。

こちらの本は前半が解説で後半が
般若心経秘鍵本文の訳と解説になります。

松長さんの解説はいつもわかりやすいし
興味がわくなと思います。
なので前半はそんなに仏教を知らない人でも
読めるのかなともいますが
後半は少し難しくなり本当に読みたいと思う人でなければ
チンプンカンプンなので心構えが必要です。

もちろん私もこの本だけでは体に入ってきてはいませんので
他の解説本も少しずつ読んでいきたいなと持っています。

以下は自分自身のメモです。

無分別なのだから空を頭で理解することはできない
また空の思想は言葉や体験で伝えることはなかなか難しいのだが
密教では言葉によって不可能でもなんらかの象徴を通して悟りの世界を体で受け止め
捉えることが可能だと説く

見る側が固定的な基準で一方的に判断を下すことなく、複数のものさしを準備し
一方では劣とみなされようと、他のものさしを幾度か当てることで
優の面を拾い上げる。その優の性格を評価し、それを組織に組み込むことによって
一つのシステムを作り上げる。
密教では何者も排除することなく、それぞれの個性の特徴を評価し、それをいかしきる
秘密の眼をもつことが要請されるのである。

一般の人は般若心経を大乗仏教の空を説く顕教の経典だと見ている。それに対して
空海はそれを般若菩薩の悟りの境涯を明かした密教の経典だと主張する。

空海
般若心経の秘密を読み解くから抜粋

無駄